インフルエンザは、国民の健康に大きな影響を与えるおそれがある感染症の一つとして、法律(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)で「五類感染症」に定められています。
- 一類感染症
- エボラ出血熱、ペスト、ラッサ熱など
- 二類感染症
- 結核、ジフテリア、鳥インフルエンザ(H5N1)など
- 三類感染症
- コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症など
- 四類感染症
- 黄熱、鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)を除く)など
- 五類感染症
- インフルエンザ
(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)、風疹、
手足口病など
- 参照先:厚生労働省「感染症に基づく医師の届出のお願い」(別ウィンドウで開きます)(2021年3月閲覧)
インフルエンザと“かぜ”(普通感冒)とは、原因となるウイルスの種類が異なり、通常の“かぜ”(普通感冒)はのどや鼻に症状が現れるのに対し、インフルエンザは急に38~40度の高熱がでるのが特徴です。
さらに、倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状も強く、これらの激しい症状は通常5日間ほど続きます。また、気管支炎や肺炎を併発しやすく、重症化すると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることもあります。
- インフルエンザ
- かぜ
- 初発症状
- 発熱、悪寒、頭痛
- 鼻咽頭の乾燥感およびくしゃみ
- 主な症状
- 発熱、筋痛、関節痛
- 鼻汁、鼻閉
- 悪寒
- 高度
- 軽度、きわめて短期
- 熱および熱型(期間)
- 38~40℃(3~4日間)
- ないか、もしくは微熱
- 全身痛、筋肉痛、関節痛
- 高度
- ない
- 倦怠感
- 高度
- ほとんどない
- 鼻汁、鼻閉
- 後期より著しい
- 初期より著しい
- 咽頭
- 充血およびときに扁桃腫脹
- やや充血
- 結膜
- 充血
- アデノではある。
咽頭結膜熱では特にひどい。
- 合併症
- 気管支炎、インフルエンザ肺炎、
細菌性脳炎、脳症 - まれ
- 病原
- インフルエンザウイルスA,B
- ライノウイルス、アデノウイルス、
コロナウイルス、RSウイルス、
パラインフルエンザウイルス
- 迅速診断法
- あり
- 一部のウイルスで『あり』
- 監修:柏木 征三郎(元国立病院機構九州医療センター 名誉院長)
インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の三つに大きく分けて分類され、毎年流行を繰り返すごとに変異株がでています。特にA型は多くの変異株があり、時に、世界的な大流行を引き起こします。B型も流行がありますが、C型は軽症のことが多いです。
A型インフルエンザウイルスは渡り鳥などによって地球規模で運ばれており、どの型が流行するかの予測は困難です。
日本ではインフルエンザは通常、12~3月に流行します。これは、温度が低く乾燥した冬には、空気中に漂っているウイルスが長生きできるからです。
また、乾燥した冷たい空気により、私たちののどや鼻の粘膜が弱っています。年末年始の人の移動でウイルスが全国的に広がるのも一つの原因だといわれており、これらの原因が重なって流行しやすい時期となっています。
更新日:2021/5/13