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インフルエンザのQ&A

薬剤耐性のインフルエンザウイルスとは何ですか?
抗インフルエンザ薬の有効性が弱くなる可能性のあるウイルスのことです。薬剤耐性のインフルエンザウイルスは、遺伝子検査によりウイルス内部のアミノ酸配列に変異がみられます。
薬剤耐性のインフルエンザウイルスはなぜ発生するのですか?
インフルエンザウイルスは増殖する過程において、遺伝子に変異が起こることが知られています。ウイルスは遺伝情報の伝達にRNAもしくはDNAの一方のみを使います。一般的にDNAウイルスの場合、複製エラーが生じた場合にはそれを修復する機能がありますが、RNAウイルス(インフルエンザウイルス)にはその修復機能がないため、遺伝子変異が生じやすいと考えられています。
耐性菌と耐性ウイルスは何が違いますか?
薬剤耐性を獲得した微生物は、細菌では「薬剤耐性菌」、ウイルスでは「薬剤耐性ウイルス」と総称されます。細菌感染症には抗菌薬、ウイルス感染症には抗ウイルス薬を使用します。抗菌薬は、感染症を起こした起炎菌を排除するのに対し、抗インフルエンザ薬はウイルス感染を抑え込める十分な免疫が立ち上がるまでウイルスの増殖・感染拡大を防ぐという働きの違いがあります。
薬剤耐性のインフルエンザウイルスの流行は、どのように調べていますか?
日本では、地方衛生研究所及び国立感染症研究所において、サーベイランスを行っています。一般的には、代表的な変異箇所を検出する方法が用いられており、変異が見つかった場合は薬剤感受性試験を行います。
薬剤耐性のインフルエンザウイルスの発生状況はどうなっていますか?
国立感染症研究所ホームページ(別ウィンドウで開きます)で確認することができます。
インフルエンザにかかったとき、薬剤耐性のインフルエンザウイルスによるものかをどのように判断したらよいですか?
現在、患者さんが受診したその場で耐性ウイルスかどうかの判断はできません。
耐性ウイルスを調べるためには、遺伝子検査・薬剤感受性検査が必要なため、各地区の地方衛生研究所・国立感染症研究所で実施されています。
薬剤耐性のインフルエンザウイルスが流行した場合、どんな治療法がありますか?
抗インフルエンザ薬は薬剤耐性ウイルスに対しても効果が確認されています。
ただし、薬剤耐性ウイルスに対する抗インフルエンザ薬の有効性は、患者さんの年齢やインフルエンザの罹患回数などによって異なることが知られています。これは、抗インフルエンザ薬はウイルス感染を抑え込める十分な免疫が立ち上がるまでウイルスの増殖・感染拡大を防ぐという働きの為、免疫の影響も大きく関係するからです。一般的に小児の方が大人と比べてインフルエンザの罹患回数が少ないなど、インフルエンザウイルスに対する免疫が弱く薬剤耐性ウイルスの影響を受けやすいと考えられています。詳しくは医師にご相談ください。

更新日:2021/5/13